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GANTZ(ガンツ) 第340話 反転する渇望
YJ掲載時:「反転する光明」)

西丈一郎の英会話(翻訳・和訳)

2012/05/10 2013/03/24

このページでは、先ほどの関根誠人の英会話(翻訳・和訳)に引き続き、『GANTZ』コミックス第32巻340話の中で西丈一郎(にし じょういちろう / 西くん)がアメリカ・ニューヨークチームの男性と英語で交わしたセリフの和訳を掲載しています。

また、かなり蛇足的ではありますが、アメリカチームが送ってくれた元々の(つまりガンツがネットで翻訳してくれる前の)文面が一体どういうものだったのか、作中では大部分が隠れてしまっていて気になったという方のために、当サイトなりに文面の全部を再現した上で、改めて自然な日本語に翻訳し直すということを試みています。

なお、第340話の巨人語の翻訳についてはこちらをご覧ください。

対象 原文 和訳 備考
19P目1コマ目
 - 西丈一郎
 Send reports
 with the document.
 調査内容を
 文面で送ッてくれ。

 アメリカチームが発見したという宇宙船の弱点を何としてでも聞き出したい西くんですが、英会話(リスニング)にはちょっと自信が無かったようです。

 そこで、口頭ではなく「文面で」情報を送ってもらった上で翻訳サイトに掛けて得られた和訳文を読む、という方法を採ろうとしているわけです。

 このコマでのセリフも事前に翻訳サイトで調べてから喋った(読み上げた)可能性がありますが、少なくとも「ネイティブの相手にちゃんと伝わる発音」で言えた分、玄野よりも英語力は高いと評価すべきところでしょう(笑)(0334話15P目3~4コマ目参照)。

19P目2コマ目
 - アメリカチームの男A
 It's a pain
 in the ass
 I got it.
 面倒なこと
 を言う奴だな
 分かッたよ。

A PAIN IN THE ASS

 → 直訳してはいけないところです(笑)。「尻の痛み」ではなく、ここでは「面倒くさいこと」などを意味するイディオムとなります。

 相手にしてみれば確かに面倒な作業かも知れません。それでも要求には渋々ながら応じてくれており、結構親切な人のようです。

2013/03/24 改訂

 原文のレイアウトと似るよう和訳を見直しました。

 面倒な頼みだな
 分かッたよ。
19P目3コマ目
 - 西丈一郎
 Hurry up!!
 Hurry up!!
 早くしろ!!
 早く!!

 「面倒な」頼みごとを聞いてもらった立場なわけですが。英会話という慣れない場面においてさえ、西くんは自分らしさを決して見失ってはいません(笑)。

 なお、和訳は日本語で併記されていたものをそのまま使用しています。直訳は2回とも「急げ!!」です。

20P目1コマ目
 - ガンツ玉
 原 文 

In Giants spacecraft they've made a vast space which is
approximately same level as the North American continent.
They have the technology of compressing space.
We already identify the location of the huge space compression plant,
and It is possible to give a devastating blow to the spacecraft
if we destroy this plant.

 備 考 

 黒塗りの箇所は、文面の表示がガンツ玉の裏側に回り込んでしまっているため、(全く、または、ハッキリとは)確認できない箇所です。

 この箇所を全て再現しようというのが、今回の試みとなります。

 (※表示位置調整のため、再現後の文面の上から黒塗りしています。スタイルシートが無効となっている閲覧環境では黒塗りがされず、再現後の文面も含め全てが表示されてしまいますので、ご注意ください。)

20P目2コマ目
 - 作中の翻訳サイトにより機械翻訳された文面
 原 文 

巨人たちにおいて、宇宙船に北アメリカ大陸として
ほぼ同じレベルの広いスペースを作りました。
彼らには、スペースを圧縮するテクノロジーがあります。
我々は、巨大なスペース圧縮工場の位置をすでに特定します。
そして、我々がこの工場を滅ぼすならば、
Itは宇宙船に破壊的な一撃を加えるために可能です。

 備 考 

 ネット上の翻訳サービスを利用された経験のある方には説明不要だと思いますが、このコマの日本語が不自然なのは、「機械翻訳らしさ」を演出するための意図的な描写であると見てまず間違いありません。

 この翻訳後の文面をヒントにして、元々の(翻訳前の)文面を再現することになります。

20P目1コマ目
 - 当サイトにおいて推測により補完し、全体を再現した文面
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In Giants spacecraft they've made a vast space which is
approximately same level as the North American continent.
They have the technology of compressing space.
We already identify the location of the huge space compression plant,
and It is possible to give a devastating blow to the spacecraft
if we destroy this plant.

 備 考 

 20P目2コマ目の機械翻訳文から逆算することにより、上記のようにある程度の推測が可能です。

 推測した箇所のうち、19P目4コマ目(文字が表示途中のため波打った状態で描かれたコマ)からもその形状を概ね確認できる箇所については太字にしてあります。

spacecraft

[2] spaceship ←「ship」の「s」の部分が字形矛盾

 → 「宇宙船」から逆算。意味的には「spaceship」もあり得ますが、「space」の次に来る1文字がどうやら「c」の形状をしていることが19P目4コマ目で確認できますので、この文面では「spacecraft」が用いられていると見て間違いなさそうです。

they've made

 = they have made

 → 「作りました」から逆算。19P目4コマ目で見ると「made」はほぼ確認できます。「they've」は推測によるものですが、やはり19P目4コマ目において、頭の「t」はほぼ確認でき、末尾の文字の輪郭も「e」と矛盾しません。文字列の横幅が「they have」と表示できるほどには長くないことから、「they've」に短縮されているものと考えました。

a vast space 2012/10/23 追記

[2] a huge space ←ニュアンス的にまだ弱い(?)

[3] a large space ←ニュアンス的に弱い

 → 「広いスペース」から逆算。当初はとりあえず「a large space」と補完していた箇所なのですが、今振り返ると、「北アメリカ大陸」に匹敵するほどの途方もない広さを想像した場合、その広さを表す形容詞として単に「large」ではニュアンス的に弱すぎた気がしています。最低でも「huge」とすべき箇所だったように思います。もっとも、「huge」でも、圧倒されるような感じまでは出し切れておらず、まだ弱い気がします。いずれも感覚的な理由に基づきますが、結局、この行全体の長さとの兼ね合いでこの箇所に入り得る4、5文字程度の長さの単語としては、「vast」辺りがこの文脈に最もマッチしているのではないかと判断し、そのように変更しておくこととしました(2012/10/23)。

approximately same level as

 → 「としてほぼ同じレベルの」から逆算。19P目4コマ目で「level」の形状はほぼ確認できます。また、その次の単語が2文字程度の幅であることが確認できるところ、これは「として」に対応する「as」であると推測されます。

the North American continent

 → 「北アメリカ大陸」から逆算。

 単に「North America」だけでも「北アメリカ大陸」を意味することはありますが、それは決して必然ではなく、むしろ通常は「北アメリカ」と訳されることになるでしょう。翻訳エンジンの性能によっては文脈まで理解して「大陸」という語を付け加えてくれることがあるかも知れませんが、翻訳文に「大陸」という語が確実に現れるようにするためには、原文を「the North American continent」にしておく必要があると言えます。

 なお、「the North」までの部分に関しては、19P目4コマ目においてもそれらしい形状を確認することができます。

the technology of compressing space

[2] the space compression technology ←「the」の次の単語の頭文字は「t」と見られるため字形矛盾

 → 「スペースを圧縮するテクノロジー」から逆算。

 「スペース」はこの文脈では「空間」の意です。「空間」を意味し得る英単語は「space」に限られるわけではありませんが、機械翻訳が「スペース」となっている以上、原文でも「space」が用いられていることが確実であると言えます。

 なお、意味的には「the space compression technology」といった言い方も可能だと考えられますが、ここでは「the」の次の単語の頭文字がどうやら「t」であるように見えることとの関係で、候補から除外しています。

the huge space compression plant

 → 「巨大なスペース圧縮工場」から逆算。

 高い確実性をもって「工場」と和訳される単語という観点からは「factory」を候補の筆頭に挙げるべきでしょうが、行っていることの規模の大きさや性質等を考えると、「工場」では何となくニュアンス的に物足りない(?)気がしましたので、「plant」(プラント)としておきました。

 なお、西くんは「空間を圧縮する施設」と無難な読み替えをしています(20P目3コマ目参照)。

20P目1コマ目
 - 原文の形をなるべく残しつつも、文法的に気になる箇所を当サイトにおいて修正した文面

In the Giants' spacecraft they've made a vast space which is
approximately same level as the North American continent.
They have the technology of compressing space.
We've already identified the location of the huge space compression plant,
and it is possible to give a devastating blow to the spacecraft
if we destroy this plant.

 備 考 

 このコマの文面は英語ネイティブが作成したという設定だと思われるのですが、文法的に気になる箇所がいくつか見られます。

 そこで、原文の形はなるべく残しつつも当サイトにおいて少し修正を施してみました。

 修正した箇所は明るい赤色の太字にしてあります。

 ちなみに5行目の「it」は、何故か文中にもかかわらず大文字で始まっていたのを小文字に直したものです。2コマ目の機械翻訳文のほうで現れている「It」に関しては、形式主語を正しく解釈できない(しかも固有名詞として解釈し大文字で始めてしまう)という、いかにも機械翻訳にありがちと思われる出力結果を「意図的に」描いたものとして完全に理解できるのですが、それに対し、こちらの翻訳「前」の文面についてそのようなことは言えないわけですから、文中の単語が大文字で始まるのは基本的にはおかしいことになります(ひょっとすると強調の趣旨だったのかも知れませんが、定かではないので無難に小文字へと直しておきました。ただ一応、大文字で始めたのが強調する意図だったとしても良いように、次の欄で再翻訳する際にはその点を考慮しながら意訳しておきました。)。

20P目1コマ目
 - 補完・修正した文面に基づき当サイトにおいて改めて自然な日本語に訳したもの(意訳)

巨人たちの宇宙船内部では北アメリカ大陸と
ほぼ同じ面積の広大な空間が生み出されている。
彼らには空間を圧縮するテクノロジーがあるようだ。
我々は巨大な空間圧縮プラントの位置をすでに特定しており、
このプラントの破壊こそが
宇宙船に対する致命的な一撃となり得るはずだ。

 備 考 

 「プラント」とした箇所は、西くんが(「工場」を)読み替えたように「施設」のほうが無難かも知れません。