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GANTZ(ガンツ)
第309話 別表
巨人語の翻訳

2010/08/13 2012/03/30


0. 原文

本体の表へ戻る新たなウィンドウを開く

(1) 0309話20P目5コマ目(7)

対象 原文 備考
309話20P目5コマ目(7)
右側に3つ並んだ枠の背後に見え隠れしている16行
















 原文表示を2種類設けてあります。

 上段では、断片しか見えていない文字についても、その形状の特徴から特定できるものは全て、判別済みの文字として表示させています。

 下段では、実際の印刷と見比べながら検証しやすいよう、半分近くまで隠れている文字については、その状態をなるべく忠実に再現したうえで、文字の断片にマウスオーバーすることにより文字の全体が表示されるようにしてあります。

 マウスオーバーによる検証用 

















(2) 0334話09P目4コマ目(4)

対象 原文 備考
0334話09P目4コマ目(4)
コマ右端中央付近のウィンドウ背後に見え隠れしている数行





 309話20P目5コマ目(7)の16行のうち6~11行目と同一と思われます。

 ここでは一番下の、上端だけが僅かに見えている行(16行全体で言うところの11行目)についてのみ、検証用の原文表示を設けています。

 マウスオーバーによる検証用 

1. このページについて

このページでは、0309話20P目5コマ目(巨人戦闘機内の計器のアップ)の右側に3つ並んだ枠の背後に見え隠れしている16行の巨人語文を対象として考察を加えています。

書くべきことが多いため、0309話の表からは切り離し、このように別表として取り扱うことにしています。

以下では、判別できる文字を拾って整理したうえで(2.)、それに基づき、隠れている残りの部分ひいては文全体の内容の推測を試みています(3.及び4.)。

※ ダラダラと長い割りに得られるものは少ないと思います。予めご了承ください。

2. 判別できる文字の整理

(1) 概観

全体の形状が見えている文字はもちろん、たとえ半分以上隠れていたとしても見えている部分から特定できる文字は全て、下の<表1>に整理してあります。

<表1>をざっと眺めた印象としては、ある程度まとまった内容の文、つまり、行ごとにバラバラなのではなく、(1)~(16)行目までで一続きの内容になっているように思えます。行末に(助)動詞の「HAVE」や定冠詞の「THE」が現れていることや、「,」(コンマ)と「.」(ピリオド)の使われ方が、上記のような印象を抱かせます。また、もう1つ気付けた点としては、文全体が右揃えになっているらしいことが挙げられます。このような右揃えの表示は、既に0309話18P目4コマ目(3)という前例が存在します。

(2) <表1>の見方

色分け

    灰色のマス

他のウィンドウの陰になっているため、どうしても見えない部分を意味します。これにより、ほとんどの行頭の位置が把握できなくなっています。

※隠れた部分を意味するものであることを直感的に分かりやすくするために、マスの表示を立体的なものへと変更し、「タイルが文字を覆うように貼られている」雰囲気にしてみました(2012/03/30)。

    黒色のマス

文字が表示されておらず、かつ、ウィンドウの陰にもなっていない部分を意味します。これにより、(4)行目、(5)行目、(6)行目および(10)行目の行頭の位置が把握可能となっています。

    濃い赤色のマス

本来であれば上で定義した黒色マスに相当するもののうち、0334話09P目4コマ目(4)において判明したものです(2011/02/17追加)。

    薄い赤色のマス

0334話09P目4コマ目(4)において判明した文字です(2011/02/17追加)。

マスの幅

見たところ、原文中に含まれる空白スペース1個分の幅は、巨人語文字の半分程度に設定されているようです。これは、あたかも全角フォントで打たれた英文が単語ごとに半角スペースで区切られているような状態に近いといえます。

このような幅の違いをまるっきり無視してしまうと、微妙なズレが積み重なることにより、隠れている部分の文字数を測り誤る原因となります。

そこで、マスの幅は原文中の空白スペース1個分を単位としたうえで、巨人語文字1個に対し2マスを割り当てるかたちで作成してあります。

ただ、空白スペース以外の巨人語文字同士をも見比べてみると、それらも必ずしも厳密に均等な幅(あるいは間隔)で表示されているわけではないようです。そのため、なお若干の誤差が含まれている可能性は否定できないことをご了承ください。

<表1>

2012/03/30判別済み扱いに追加:(1)-「E」、(4)-3つ目の「E」、(5)-1つ目の「H」、(10)-「A」、(11)-「G」「H」「I」「N」「P」「N」「R」「O」
2011/02/17
2010/12/23
2010/11/18
↓行番号を示す(1)~(16)をクリックすると<表1>~<表5>をループ状に移動できます(対照に便利です)。
(1)                                                                       E   S T O R Y
(2)                                                                   * N   B E I N G
(3)                                                                   * L D   H A V E
(4)     D I E D ,   K U R O N O   E * * E R I E N C E .
(5)                       T H                                 * I N G S   W H O
(6)       S H O *                                                       * E I V E
(7)         A N                                                                 * O U S
(8)                                                                                     * C E
(9)                     I                                                         * H U T
(10)               I N .   T H                                       A T   T H E
(11)         G H T I N G   P A R T N E R             O M   T H E
(12)                                                                         * I B L E ,
(13)                                                                                     * I S
(14)                                                                                     * N O
(15)                                                                                     * O *
(16)                                                                                     * D *

3. 隠れている部分と文全体の内容の推測

(1) 何が書かれているか

ご覧のとおり、ほとんどの部分が隠れてしまっているため、確実に言えることは非常に少なく、断片的に読み取れる単語や文字列をヒントにして、文全体の内容を推測するほかありません。

ただ、可能性を大雑把に分ければ、次に示す2通りにまでは絞れるように思われます。

1つは、巨人側が共有している作戦情報(標的の情報を含む)やリアルタイムな戦況の類(以下、まとめて「作戦情報」と呼ぶことにします)であるという可能性。もう1つは、漫画作品としての『GANTZ』のいわゆる「あらすじ紹介」的な文であるという可能性です。

【A】 「作戦情報」という可能性

この1つ目の可能性は、文が表示された画面の性質やこれが表示された時の状況に着目するとき、最も自然に推測されるものだといえます。すなわち、文が表示されたのは巨人兵士が操る戦闘機内のモニタ画面で、しかもその状況は玄野計と最初に交戦した巨人兵士からの通信を受信した直後というものですから、まだ巨人語の意味を知らない段階でこのコマを見た読者が普通に想像力を働かせるとき、まず最初に思い浮かべる可能性ではないかと思われます。特に、コマの絵を見るだけでモニタ画面の中央に玄野計の顔写真が映し出されていることが明らかなわけですから、「標的としての」玄野計に関する何らかの情報がウィンドウの背後にも表示されているのではないかと考えることは、極めて自然な発想だと思われます。実際、巨人語を解読した後にこの線で推測を進めようとすると、最初の1行に「STORY」という単語が現れているところ、この単語には「素性」や「経歴」といった意味もあるため、「標的の素性・経歴」という可能性は、あながち小さくないということになりそうです。

作戦情報であるとすれば、手痛い(また、思わぬ)反撃を食らった巨人側にとっておよそ無視しえないであろう玄野計との交戦記録や標的としての情報は恐らく、そこに追加されて然るべき情報でしょうから、「KURONO」という文字列が現れたとしても特に不自然さはありません。

仮にこちらの可能性が正しい場合、隠れている部分が完全に判明すれば巨人側が相互にどういった内容のやり取りをしているかを垣間見ることができるわけですから、我々読者がストーリー展開をあれこれ予想し楽しむうえで非常に意味のある発見になるといえそうです。

【B】 「あらすじ紹介文」という可能性

上でも触れたとおり、巨人語文字の意味を知っていれば最初の1行から「STORY」という単語がハッキリと読み取れるわけですが、この単語の最も普通の和訳から最も素直な推測をすると、こちらの可能性が導かれます。

『GANTZ』の「あらすじ」であるとすれば、主人公の名前である「KURONO」という文字列が現れることは、むしろ当然ということになります。

仮にこちらの可能性が正しい場合、この16行は、作者である奥浩哉先生の遊び心、あるいは単に、背景を巨人語で埋めるのに丁度良い長さの文が適当にあてがわれているだけ(それでも一応『GANTZ』に関係する内容ではありますが)、ということが言えるでしょう。この場合は残念ながら、進行中のストーリーに直接関わるものとは言い難くなりますし、「あらすじ」は我々読者が既に知っている情報ですから、隠れている部分に謎解きの対象としての魅力はそれほど無い、ということになってしまいそうです。

【C】 その他の可能性

これまでに挙げた【A】と【B】は、私個人の感覚における穏当な線として示したものですが、推測である以上、全く外れている可能性もゼロではありません。そこで、【A】でも【B】でもない残りの可能性を全て【C】として一応挙げておきます。ここには、「文法的に不完全な単語の羅列」、あるいはその対極として、「『GANTZ』の謎の核心に触れる内容」「我々読者の想像を全く超える、巨人語を解読しなければ決して知りえなかったであろう重大な秘密」などの極端な可能性が含まれます。『GANTZ』の巨人語に対し特別に興味を持たれた読者の方としては、きっと後者を期待されていることと思います。そこで、以下の記述では差し当たり後者によって【C】を代表させたいと思います。もっとも、(2)でも理由を後述するように、この意味での【C】は本当に小さな可能性にしかすぎないと思っていただいたほうが良さそうです。

(2) 推測の方向性

個人的には、上に挙げた【A】【B】2つのうち、後者の【B】「あらすじ紹介文」である可能性のほうが、やや大きいと考えています。というのも、これまで(2010/11/18現在)の解読結果をご覧になった方であればきっと納得していただけるとおり、背景に用いられている巨人語から判明する情報というのは、『GANTZ』のストーリーに関する何らかの「謎」を先取りして理解する助けになってくれるほどの重要なものというよりは、専ら遊び心にとどまるものが大半を占めているように見受けられるからです。確かに、背景中の巨人語といっても、玄野計のおおよその身長と体重という、ある意味では読者にとって重要と呼べる情報が含まれていた前例があり、しかもそれが、ここで対象としている16行と同一のシーンにおける巨人語から判明したものであることからすれば、この16行のほうにもそれなりの期待を抱かずにはいられません。しかしそれは、先ほどの前例と同程度以上の重要性を持つ情報のこれまでの収穫率という点から冷静に見れば、やはり少し過剰な期待であるという気がするのです。なお、前述の【C】という可能性にいたっては、上と同様の理由から、ますます小さなものだと感じられてしまうわけです。

そこで、隠れている部分を推測する際の方向性としては、【B】「あらすじ紹介文」という線を優先することにしたいと思います。

以下の<表2>では、上で示した【A】、【B】という2通りの線での推測内容をそれぞれ挙げています。前述のとおり、【B】の線を優先しますので、【B】→【A】の順で上から記載してあります。なお、【C】の線でも推測している箇所が一応少しだけあります。

<表2>

2012/03/30
2010/12/23
2010/11/18
2010/08/20
(※英訳欄の[ ]内は推測により補完した文字です。候補が複数がある場合は、セルを縦に分割し可能性が高いと思われるものを上から順に列挙してあります。その他、この表の詳しい見方については、本文の3.以下をお読みください。)
↓行番号を示す(1)~(16)をクリックすると<表1>~<表5>をループ状に移動できます(対照に便利です)。
英訳 和訳 備考
(1)  STORY   物語/話/来歴/経歴

 【B】
 「死んだはずの人間、玄野が体験する(奇妙な)物語」といった内容が推測できます。
 補完した単語の位置関係と矛盾せず、かつ上のように和訳される元の英文を再現しようとすると文法的に少々厳しいようにも思えるのですが、少なくとも単語の組合せだけを見れば、かなりそれらしい印象を受けます。

2012/03/30 挿入

 同格表現が用いられていると考えれば文法的にも大丈夫そうであると気付きました。
 <表5>もご参照のこと。

 【A】
 単に「STORY」あるいは「BACK STORY」で「素性」や「経歴」などを意味していることが考えられます。
 玄野計が巨人側にとって要注意の標的とみなされた結果、その詳細情報が表示されていると想像するわけです。

2012/03/30 追記

 良く見ると、「STORY」の前の空白スペース1個分離れた位置に「E」の右端らしき断片が見えているのが確認できます。
 したがって、少なくとも(1)行目が「STORY」の1語のみということは、どうやら無さそうです。
 また、0321話07P目6コマ目(2)からも、「STORY」の前には他にも単語が配置されているらしいことが分かります。

(2)  HUMAN BEING   人間
(3)  SHOULD HAVE   死んだはずの/死ぬべきだった、玄野(の/は)経験/体験(する)。
(4)  DIED, KURONO EXPERIENCE. 
(5)  HUMAN BEINGS   WHO   人間達  (する)ところの(人)

 【B】
 「HUMAN BEINGS」の可能性が最も高いと思われます。
 (2)行目でも既に一度「HUMAN BEING」という単語が出てきていますが、そちらは(おそらく玄野計1人を指しているであろう)単数形だったのに対し、こちらは複数形になっているので、ガンツ部屋に連れてこられた人間が総じて何をやらされるのかを説明するくだりでこの単語が用いられている可能性が考えられます。
 なお、仮に「HUMAN BEINGS」で正しいとすると、行頭の「T」で始まる単語は、字数的にも意味的にも「THE」(定冠詞)以外の余地はほとんど無いと思われます。

 【A】
 こちらの線でも、やはり「HUMAN BEINGS」の可能性が最も高いと思われます。
 巨人はまさに地球上の「人間」に対して全面攻撃を仕掛けてきているわけですから、この単語は頻出して当然ともいえます。随所の巨人語からは、巨人同士の間で人間が「虫」などと一般に呼ばれていることが判明しており、それと矛盾するようにも見えますが、それは侮蔑的な俗称にすぎないと考えれば十分に説明は付きます。

 その他の可能性としては、「THINGS」などが考えられます。単に「INGS」という語尾だけに注目すれば、当てはまる単語の候補は無数に考えられます(RINGS、SINGS、WINGS)。しかし、その直後に「WHO」が続いており、この「WHO」は関係代名詞と見るのが文法的には自然ですから、「INGS」には先行詞として相応しい、人を表す名詞が入る可能性が高いといえます。そして、「THING」には軽蔑の意を表して「やつ」という意味でも使われることがありますから、人を表す名詞となり得ます。特に巨人が人間のことを「虫」呼ばわりしている事実を考えれば、代わりに「THINGS」と呼ぶことがあったとしても決しておかしくはないと考えられます。

 【C】
 なお、「KINGS」の可能性はほとんどゼロだと思いますが、人を表す名詞として一応挙げているものです。

 THINGS   やつら
 KINGS   王たち
(6)  SHOULD  RECEIVE   ~すべき 受け取る/受ける/受信する

 【B】
 (5)行目から(6)行目に渡って「THE HUMAN BEINGS WHO SHOULD HAVE DIED」(死んだはずの人間達)と表示されていることが考えられます。
 そうすると、「RECEIVE」という単語が、ガンツからの指令を「受ける」といった文脈で用いられている可能性も見えてきます。

 【A】
 「SHOT」は直前の玄野計との交戦記録の中に現れている可能性があり、「RECEIVE」は通信の「受信」という意味で用いられている可能性があります。

 SHOT  撃った
(7)  AN ORDER  MYSTERIOUS   指令  謎めいた
2012/03/30 挿入

 【B】
 「AN」は0334話09P目4コマ目(4)において存在が判明した文字列です。この直後が空白スペースであるかどうかは直接確認できませんが、前行で推測した「RECEIVE」からの流れで考えると、これは何か別の単語の頭というわけではなく、不定冠詞であると思われます。というのも、「RECEIVE」の後にはその目的語となる「指令」を意味する語句が入ると考えられるところ、これには「ORDER」という丁度良い単語が存在し、しかもそれは母音で始まることから、不定冠詞が「AN」の形をとることは非常に辻褄が合うからです。

 【B】
 「CURIOUS」の可能性が高いと思われます。
 謎にあふれた『GANTZ』という作品のことですから、その「あらすじ」を紹介するうえでこの単語が使われるのは必然という気すらします。

2012/03/30 挿入

 後述するとおり「あらすじ紹介文」の線で推測を進めたところ、ここは意味的にも字数的にも「MYSTERIOUS」が最も当てはまりそうであることが分かりましたので、この単語を第1候補として追加しておきます。

 【A】
 玄野計など巨人側にとって危険な人間の存在を警告する通信の描写もあったことから、「DANGEROUS」の可能性が高いと思われます。

 CURIOUS   奇妙な
 DANGEROUS   危険な
(8)  DEVICE   装置

 【B】
 「DEVICE」と「CHANCE」の可能性がそれぞれ同じくらいに高いと思われます。
 まず、「DEVICE」は、ガンツ(黒球)自体を指していることも考えられますし、ガンツが提供する武器等を指していることも考えられます。
 また、「CHANCE」については例えば、「THERE IS NO CHANCE TO ESCAPE」(逃げ出す機会はない/逃げるスキはない/逃げられない)などといった文脈での使用が想像されます。

2012/03/30 挿入

 0334話09P目4コマ目(4)において、この次の行の1文字目が「I」であることが分かっていますので、「CHANCE」について上で挙げた文例は、どうやら当てはまらないようです。

 【A】
 Zガン等の目撃情報が含まれているのだとすると、例えば、「UNKNOWN DEVICE」(未知の装置)といったことが想像できます。
 きっと、Zガンの壮絶な威力を目の当たりにすれば、それについても報告を欠くわけにはいかないでしょう。

 CHANCE   機会/好機(チャンス)
(9)  SHUT IN.   閉じ込める。

 【B】
 「部屋に閉じ込められた者達」とか「謎の黒球の中に閉じこもっている(入っている)男」といった表現の中で用いられていることが想像できます。

 【A】
 巨人が街中に放った例の空飛ぶ人間捕獲用コンテナが連想されます。
 捕獲作戦の進捗状況を報告する文脈などでの使用が想像できます。

(10)  THE   BEAT   定冠詞  打ち負かす
2012/03/30 追加

 【B】
 文頭の「TH」に関し、前の文の主語が「THE HUMAN BEINGS」(人間達)である可能性が極めて高いので、それを受ける代名詞として「THEY」(彼らは)の可能性を追加しました。

 また、行末から2つ目の単語の末尾から2文字を「A」であると判別したことに伴い、「BEAT」(打ち負かす)、「DEFEAT」(打倒する)、前置詞「AT」という可能性を追加しました。ちなみに「BEAT」や「DEFEAT」に関しては、「戦って相手を倒さなければならない」といった感じの文脈を想像しています(ただし、後者の可能性は字数的に見てほとんど無いかも知れません)。

 DEFEAT   打倒する
 THEY   AT   彼らは  ~において
(11)  FIGHTING PARTNER  戦う相手(?)
 共に戦う相手(仲間)
 共闘する相手(仲間)
2012/03/30 追加

 【共通】
 0334話09P目4コマ目(4)において存在が判明した文字列です。

2012/03/30 追加

 【A】
 玄野に撃退された巨人兵士は2人組だったことから、相棒(オートラ)の死を報告する文脈が想像できます。

2012/03/30 追加

 【B】 (※4.以下の説明と絡んでいますので、そちらも併せてご参照ください。)
 「FIGHTING PARTNER」という表現は手持ちの辞書には見当たりませんでした。普通に思い浮かぶのは「共闘する仲間」といった意味ですが、他方、公式のあらすじ紹介文に照らし(11)行目辺りには「戦う相手」と和訳される語句の存在が想像されるところ、単語別の直訳としてならば、こちらにも「FIGHTING PARTNER」が当てはまるように見えます。

 ただ、ここで想定している文脈によると「戦う相手」は「星人」を指すことになりますので、「共に戦う相手」すなわち「仲間/味方」の意味ではなく、「対立して戦う相手」すなわち「敵」の意味で用い得る語句でなければおかしいことになります。そうすると、これに「仲間関係」や「協力関係」のニュアンスが極めて強い「PARTNER」を含む語句があてられることには、だいぶ違和感を覚えるところでもあります(仮に「ENEMY」や「OPPONENT」となっていたならば、特に悩むことはないわけですが。)。

 隠れている実際の文面が想定していたものとは違っただけという可能性、すなわち例えば、(11)行目は実は「星人」ではなく「ガンツ部屋の仲間」について書かれた箇所であるという可能性もありますが、差し当たり文面の想定自体は誤っていないものとして説明を付けるとするならば、ひょっとするとこの箇所は機械翻訳を使って用意されたものかも知れない、ということも考えられます(幾つかの翻訳サイトで試したところ、「相手」という日本語は「PARTNER」と英訳されることがほとんどのようです。)。

 上の話を少し分かりやすくするために、「戦う相手」を「FIGHTING PARTNER」の言わばニュートラルな訳語(下記1)と見なしたうえで、そこから引き出し得る具体的な意味を、「味方サイド」(下記2)または「敵サイド」(下記3)というニュアンスの違いを大まかな基準として、私なりに分類、整理してみました。

1 戦う相手
戦いの相手
単語別の直訳。
これだけでは意味の曖昧さが若干残る。
この訳語自体は日本語として、むしろ「敵」を意味しやすい。
2 共に戦う相手 / 模擬的に戦う相手 味方サイド。
(a) 共に戦う相手(仲間)
共闘する相手(仲間)
協力して戦う相手(仲間)
共通の敵あるいは戦いの対象の存在を含意。
(b) (格闘技やゲームなどの)
練習相手
組手相手(練習としての)
スパーリングパートナー
練習や訓練等のために対立する形式を(一時的に)取りはしても、実質的な対立関係ではない。
あくまで仲間内。
「仮想上の」という意味でなら、「敵」だとも言い得る。
3 (敵対して)戦う相手
(敵対する)戦いの相手
対戦相手
敵サイド。
(a) (格闘技やゲームなどの)
競技相手
試合相手
組手相手(試合としての)
公式のルールに則って技を競い合う場面。
練習ではなく本番(真剣に勝負する場面)。
危険は伴うとしても、傷付け合うことが本質ではない。
ソフトな意味での「敵」。
(b) 喧嘩相手 口論、殴り合いの喧嘩レベル。
ややソフトな意味での「敵」。
(c) 戦争相手 戦争、殺し合いレベル。
完全なる、ハードな意味での「敵」。

 ネット上を見渡すと、格闘技関連のページにおいて2(b)の用例はよく見掛けられ、割りと定着した表現という印象を受けます。

 2と3の中間(または3内部)に、敵対しながらも深い所では絆が存在するケース(例、長年の喧嘩のライバル)を分類として加えても良いかも知れませんが、複雑化を避け、割愛しています。

 GANTZに登場する「星人」は玄野達にとっては紛れもなく「本気で殺し合う相手」ですから、3(c)に位置付けて考えます(GANTZのミッションが持つゲーム的な側面は、ここでは措きます)。

 さて、(11)行目で意図された可能性が最も高いのは3(c)であり、次いで2(a)です。
 2は問題ないとして、英語として3、特に(c)があり得るかが、ここでの問題です。グーグルブックスで洋書の文章を検索してみると、稀にですが3(b)の用例は一応あることはあるようで、その類推からすると3(c)もあり得るように思えてきます。ただ、3(c)は「PARTNER」の語感とは最もかけ離れた用例だと思いますので、いずれにしても違和感を伴いやすい表現ではないかという気がするところです。

 FRO  THE   ~から  定冠詞

 【B】【A】共通
 語尾が「M」の単語で『GANTZ』と関連がありそうなものとしては、ROOM(部屋)、BEAM(ビーム)、DOOM(運命)、WORM(虫)、EARTHWORM(虫)、など色々と考えられます。もっとも、直後に定冠詞が続いていることから、名詞の可能性は小さいと思われます。
 結局、FROM(~から)やHIM(彼に)辺りの可能性が高い気がします。

2012/03/30 挿入

 改めて判別を試みたところ、「M」の前にはどうやら「O」の右端らしい輪郭が見えますので、「OM」までは確定と考えても良いかも知れません。

 HI  彼に(する)
 BEA  ビーム
 I A  私は(である)
(12)  IMPOSSIBLE,   不可能な、/できない、

 【B】
 「IMPOSSIBLE」の可能性が最も高い気がします。

 【A】
 ガンツスーツに備わる周波数変更(ステルス)機能の存在を考えると、その目撃情報を巨人同士で交換していることが想像されますので、「INVISIBLE」の可能性が高そうです。

 【C】
 また、かなり可能性は小さそうですが、「神」という言葉が現れる印象的なシーンが過去に幾度となく登場していることから、「BIBLE」も捨て難いかも知れません。

 INVISIBLE,   目に見えない、
 BIBLE,   聖書、
(13)  ANALYSIS   分析  
 CRISIS   危機  
 HIS   彼の  
 THIS   この  
(14)  KURONO   玄野  
 INFERNO   地獄
(15)      
(16)      

4. 【B】「あらすじ紹介文」の線で元の英文を再現する試み

(1) 概要

ここまで行ってきた補完作業は、少なくとも単語の断片は判別できている箇所の直前/直後を補完するだけの、いわば「無難な」ものが中心という感じでしたが、ここから先は、最も可能性が高いと思われる【B】「あらすじ紹介文」という線に絞ったうえで、更に一歩踏み込んだものにしたいと思います。

具体的には、<表2>で記述した【B】の線での推測内容に基づきながら、かつ、既に判別済みである文字との位置関係が整合するよう、後から配置する単語の字数などにも配慮しながら、GANTZの「あらすじ紹介文」へと和訳されるような英文を大胆かつ強引に「再現」してみたいと思います(もはや補完する文字数のほうが判別済みのそれよりも完全に多いので、ここでの作業は敢えて「補完」ではなく「再現」と呼ぶことにしています)。

(2) 0321話07P目6コマ目(2)の取扱い

ところで、本日(2012/03/30)の更新では0321話のページも新たに追加していますが、その中の07P目6コマ目(2)において、この0309話別表で扱っている16行のうち1~7行目と同じ文面が表示されているらしいことが分かっています。詳細についてはそちらの備考欄をお読みいただきたいと思いますが、この0321話07P目6コマ目(2)からでしか把握し得ない「行頭の位置」や「空白スペースの位置」に関する情報については、ここで行う再現作業においても重要な判断材料として扱うことにしています。

(3) 公式のあらすじ紹介文について

「あらすじ紹介文」を再現するにあたっては、公式のものを無視することは当然できません。

「公式の」あらすじ紹介文と呼べる文面としては、コミックス第1巻の裏表紙に書かれたものを筆頭に幾つか挙げられるとは思います。ただ、今回ここで扱っている16行との関係で見たとき、既に判別済みである単語の断片と最も適合しそうに見えるのは、何と言ってもYJ公式サイト上に掲載されている文面であり、正にこの文面を基礎にして、英訳と巨人語文字への置き換えが行われた可能性が非常に高いと感じられます。

そこで、再現にあたっては、この「YJ公式サイト上のあらすじ紹介文が基になっている」という想定で、(直訳では無理だとしても)少なくとも「意訳」したときには、ほとんどそれと同一の文面になり得る英文を目指して、配置すべき単語の選択等を行うことにしています。

公式サイトのあらすじ紹介文は、下記URLからご確認ください。ここから先、特に<表5>の備考では、公式のあらすじ紹介文の文面を念頭に置いたうえでの説明内容となりますので、ここで予め目を通しておかれると、記述の意味を理解しやすいかと思います。ちなみに、2011/11/17に行われた公式サイトのリニューアルに伴い、それ以前の文面とは一部異なるものが新たに追加されたようです(下記URLのうち1.のほう)。リニューアル前(すなわち、0309話掲載当時)から掲載されていた昔ながらの文面は、下記URLのうち2.のほう(「GANTZポータルサイト」)の「STORY」という所で確認できます。ただし、現在はカタストロフィ編のあらすじも第2段落として付け足されているようですが、再現において想定しているのは、あくまで第1段落の文面のみとなります。

週刊ヤングジャンプ公式サイト

『GANTZ』のあらすじ紹介文(作品紹介文)が掲載されているページ(2012/03/30現在)

1. http://youngjump.jp/manga/gantz/

2. http://youngjump.jp/gantzspecial/ ←こちらが昔ながらの文面

(4) <表3>の見方

<表3>は、推測によって補完した文字(暗めの赤太字)を<表1>の上から重ね合わせて英文全体を再現しようとしているものです。判別済みの文字との関係で字数や配置に矛盾が無いかどうかをご検証される際には、この表が適しているかと思います。

(5) <表4>の見方

<表4>には、<表3>で再現した英文を読みやすい形で表示したうえで、再現の過程で考察した内容等を詳述した<表5>へのリンクを張ってあります。

(6) <表5>の見方

<表5>には、<表4>に対応する形で和訳や備考を記述しています。

「行単位」の欄と「文単位」の欄に分けています。再現英文が「.」(ピリオド)で途切れる所までは1文ごとに「行単位」の欄(左欄)を読み進めていただいてから、次いで「文単位」の欄(右欄)へ移動していただくと分かりやすいと思います。

再現した語句または文の第1候補は、青いハイライトで示してあります。第2候補以降は、赤いハイライトを施し、かつ[2][3]という風に番号を振っています。[ ]内の数字が同じであるものは、その間に可能性の優劣を付けていないことを意味します。説明の便宜上、再現の過程で既に完全に潰してある可能性(特に、物理的に配置が不可能と思われるもの)についても、抹消線を引いた状態で載せてあります。

(7) 現時点までの再現状況

2012/03/30現在、作業は完了しておらず、一応の「完結した文」として再現に成功(?)しているのは(1)~(10)行目の頭までにとどまりますが、とりあえず公開しておくことにします。

私なりの理解では、少なくとも「文法的には」一応成立しているものと判断していますが、単語の配置や字数に関する厳しい制約がある中で強引に再現したものであるがゆえに、あまり「自然な英文」になっているとは言えないかも知れません。その点を予めご了承ください。

なお、ご覧になってお気付きと思いますが、(10)行目以降は非常に難航しそうな気配でして(苦笑)、次の更新時期は全く未定です。また、(10)行目以降の所々補完してある単語はあくまで暫定的なものにすぎませんので、ご注意ください。

<表3>

2012/03/30 追加
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(1)                                 T H E   B I Z A R R E   S T O R Y
(2)                   A B O U T   T H E   H U M A N   B E I N G
(3)                                         W H O   S H O U L D   H A V E
(4)     D I E D ,   K U R O N O   E X P E R I E N C E .
(5)                       T H E   H U M A N   B E I N G S   W H O
(6)       S H O U L D   H A V E   D I E D   R E C E I V E
(7)         A N   O R D E R   B Y   A   M Y S T E R I O U S
(8)                                 B L A C K   B A L L   D E V I C E
(9)                     I N   A   C O N D O   R O O M ,   S H U T
(10)               I N .   T H E Y                               A T   T H E
(11) F I G H T I N G   P A R T N E R             O M   T H E
(12)                                                     I M P O S S I B L E ,
(13)                                                                                     * I S
(14)                                                                         K U R O N O
(15)                                                                                     * O *
(16)                                                                                     * D *

<表4>

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推測により再現した英文 和訳と備考(<表5>のへのリンク)
行単位 文単位
(1)  THE BIZARRE STORY  (1)
(2)  ABOUT THE HUMAN BEING  (2) (1)~(4)行目の文 (第1文)
(3)  WHO SHOULD HAVE  (3)
(4)  DIED, KURONO EXPERIENCE.  (4)
(5)  THE HUMAN BEINGS WHO  (5)
(6)  SHOULD HAVE DIED RECEIVE  (6)
(7)  AN ORDER BY A MYSTERIOUS  (7) (5)~(10)行目の文 (第2文)
(8)  BLACK BALL DEVICE  (8)
(9)  IN A CONDO ROOM, SHUT  (9)
(10)  IN. THEY~AT THE  (10)
(11)  FIGHTING PARTNER~OM THE  (11)
(12)  *~* IMPOSSIBLE,  (12)
(13)  *~*IS  (13) 未完了
(個々の補完は暫定的なものを含みます)
(14)  KURONO  (14)
(15)  *~*O*  (15)
(16)  *~*D*  (16)

<表5>

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和訳と備考
行単位 文単位
(1)

THE BIZARRE STORY

 = 奇妙な物語

[2] THE STRANGE STORY
[3] THE CURIOUS STORY ←字形矛盾につき可能性無し。

 まず、単語の字数を上記のように判断した理由は、0321話07P目6コマ目(2)にあります。実際の印刷のほうでも是非ご確認いただきたいと思いますが、例えば、(1)行目末尾の単語は(0309話20P目5コマ目のほうで)既に問題なく判別できており「STORY」であることが確定しているところ、この単語が5文字であることを念頭に置いて見比べることで、他の単語の長さについてもおおよその見当がつくというわけです(以下、他の箇所についても同じ要領で見当をつけています)。

 次に、「BIZARRE」と同じ字数で似た意味の単語としては「CURIOUS」なども考えられます。ただ、わずかに見えている末尾の文字の右端の形状が「S」とは矛盾し、他方「E」とは矛盾しないため、「BIZARRE」としておきました。

 ちなみに、同じ字数でかつ末尾が「E」の単語としては「STRANGE」もありますが、この単語自体が一般的すぎるせいか、「BIZARRE」に比べると「奇妙さ」が余り際立たない印象があります。そこで、『GANTZ』の持つ強烈な「奇妙さ」に相応しいニュアンスを備えた単語という観点からも、「BIZARRE」を第1候補としてあります。

 なお、ご存知の方も多いと思いますが、「BIZARRE」という単語は某有名漫画タイトルの英語表記にも使われています。

(1)~(4)行目の文 (第1文)

THE BIZARRE STORY ABOUT THE HUMAN BEING WHO SHOULD HAVE DIED, KURONO EXPERIENCE.

 まず、公式のあらすじ紹介文が「玄野が体験する」となっていることから逆算しこの文における「EXPERIENCE」を動詞として位置付けようとすると、「,」(コンマ)以下の部分を「WHICH」の省略された関係代名詞節と解釈する以外には考えにくくなるわけですが、その場合には、動詞の活用という点で文法的に誤りとなってしまうことが一目瞭然となります。というのも、ここでは3人称単数になりますので、いわゆる歴史的現在として現在時制で書くならば「EXPERIENCES」とすべきところですし、過去時制だとしても「EXPERIENCED」とすべきところだからです(なお、そもそも非制限的用法の関係代名詞を省略している時点で誤りである、という見方をしても良いかも知れません。)。

 他方、ここでの「EXPERIENCE」を名詞と見たうえで、同格表現が用いられていると解釈すれば、文法的には一応成立するハズです。すなわち、「,」(コンマ)よりも前までの部分(ちなみに中心となる語は「STORY」)を、その後の「KURONO EXPERIENCE」で言い換えた文であると理解するわけです。

 上記の文を構文に忠実に和訳するとしたら、

 死んだはずの人間についての奇妙な物語、(すなわち、)玄野の体験譚。

という感じになるかと思います。

 なお、「,」(コンマ)に対応する巨人語文字は「-」(ハイフン)との兼用であるというルールが既に判明していることから、「-」(ハイフン)と非常に似た形状をした「―」(emダッシュ)とも兼用なのではないか、と想像することは十分に可能だと言えます。そこで、

 死んだはずの人間についての奇妙な物語――玄野の体験譚。

といった表記にしても良いところかも知れません。

 以上に対し、意訳するとしたら、公式のあらすじ紹介文に近づけて、

 死んだはずの人間、玄野が体験する奇妙な物語。

とすることが十分可能だと考えられます。ちなみに公式のものは「玄野」という箇所が「玄野達」となっている点で微妙に異なります。

第2文の行単位の備考(左欄)へ続く。

(2)

ABOUT THE HUMAN BEING

 = 人間についての~

 <表2>(2)備考欄もご参照のこと。

(3)

WHO SHOULD HAVE DIED

 = 死んだはずの~

 <表2>(3)備考欄もご参照のこと。

(4)

KURONO EXPERIENCE

 = 玄野の体験譚 (または単に、「玄野の体験」)

 ここでの「EXPERIENCE」は動詞ではなく名詞としての用法であり(その理由は右欄を参照)、その直訳は「経験」とか「体験」になります。

 ただ、右欄で後述するとおり(1)~(4)行目の文 (第1文)においては同格表現(言い換え表現)が用いられていると考えられるところ、同格の関係にあるそれぞれの名詞句の中心となる語を抽出してみると、「EXPERIENCE」は「STORY」に対応していることが確認できます。
 そこで、若干意訳にはなるかも知れませんが、「EXPERIENCE」の訳の第1候補としては、単に「体験」などではなく、「話」や「物語」といった意味を持つ「譚(たん)」という字を添えた、「体験譚」というものを挙げておきました。

第1文の行単位の備考はここまで。

文単位の備考(右欄)へ続く。

(5)

THE HUMAN BEINGS WHO SHOULD HAVE DIED

 = 死んだはずの人間達

 <表2>(5)備考欄もご参照のこと。

(5)~(10)行目の文 (第2文)

THE HUMAN BEINGS WHO SHOULD HAVE DIED RECEIVE AN ORDER BY A MYSTERIOUS BLACK BALL DEVICE IN A CONDO ROOM, SHUT IN.

[2] THE HUMAN BEINGS WHO SHOULD HAVE DIED RECEIVE AN ORDER BY A MYSTERIOUS BLACK BALL DEVICE IN A CONDO BEING SHUT IN. ←文法的に難アリの恐れ

[3] THE HUMAN BEINGS WHO SHOULD HAVE DIED RECEIVE AN ORDER BY A MYSTERIOUS BLACK BALL DEVICE IN A ROOM, BEING SHUT IN. ←「マンション」という情報が抜けている

[4] THE HUMAN BEINGS WHO SHOULD HAVE DIED RECEIVE AN ORDER BY A MYSTERIOUS BLACK BALL DEVICE IN A ROOM THEY'RE SHUT IN. ←2マス(1文字分)不足

[5] THE HUMAN BEINGS WHO SHOULD HAVE DIED RECEIVE AN ORDER BY A MYSTERIOUS BLACK BALL DEVICE IN A ROOM WHICH THEY ARE SHUT IN. ←9マス(4.5文字分)不足。WHICHをTHATに置き換えてもなお7マス(3.5文字分)不足

 (8)行目までの流れを受けて、(9)行目には「(彼らが)閉じ込められた(マンションの)部屋(の中)で」と和訳される語句が続くと想定しました。

 上の想定は、(9)行目の行頭が「I」であることが0334話09P目4コマ目(4)において判明しているところ、これが「IN A ROOM」(「部屋の中で/の」)などの頭文字であると考えれば意味的には全く無理が無いこと、及び、(9)行目の行末から(10)行目の行頭にかけて判別できている「HUT IN」は「SHUT IN」(閉じ込める)という綴り以外ほとんど考えられないことからして、穏当なものであると言えます。
 ただ、上記の「IN ~」と「SHUT IN」の間に挟まれたマス目の数(字数)にそれほど余裕が無く、しかも「SHUT IN」で文を終えるべきことが確定してしまっていることから、文を組み立てる際の選択肢が少ないという意味で、上で想定した分の情報を不足なく盛り込むには多少の苦労と工夫を要するところでした。
 以下、試行錯誤した過程を示します。

 まずは最も素直な発想として、直前の「ROOM」を修飾する関係代名詞節を作り[5]のようにしましたが、到底マス目が足りていません(「WHICH」をより短い「THAT」に置き換えてもなお足りません)。また、[4]のように関係代名詞を省略し、かつ「THEY ARE」を「THEY'RE」と縮めたりしても、惜しいことに2マス(1文字分)足りませんでした。

 そこで次に、「ROOM」を修飾するのは断念し、いわゆる分詞構文を用い、強引に[3]のような文を再現してみました。同時進行の付帯状況を表す受動態の分詞構文が文末に置かれている、という理解です。
 これだと字数にピッタリ収まります。

 しかし、このままだと「マンションの」一室であるという情報が抜け落ちてしまっており、もう少し何とかしたいところです。そこで、「ROOM」の後の「,」(コンマ)を省略して、代わりに「CONDO」(「分譲マンション」を意味する「CONDOMINIUM」の短縮形)を用いてみました。これで前の「ROOM,」と変わらず5文字のままですので、他に影響は及ぼさないというわけです。

 ただ、この場合に「,」(コンマ)を省略するのは文法的にマズいと言われるかも知れません。

 分詞構文が文末に置かれるケースで分詞の前の「,」(コンマ)が必須のものか否かについては、どうやら考え方が分かれるようです。この問題に深入りするつもりはありませんが、少なくとも今回の文に限って言えば、「閉じ込められている」のが誰か(何か)ということについて読み手が取り違えることは無い、すなわち、常識的な読み方をすればそれは「人間達」であって「部屋」ではないこと(部屋はあくまでも人間達を「閉じ込めている」物であること)が読み取れるハズですので、「,」(コンマ)の有無をさほど厳格に考えなくて良い気はしています。もちろん、SF的な設定として描かれるガンツ部屋の持つ特殊な性質(=見えない力によって外界から遮断されているという性質。なお、厳密には部屋自体の属性ではなく人間達の退室行動がガンツの制御下に置かれているためであるという可能性も高いですが、その話は措きます。)を踏まえると、「部屋自体が」(中に居る人間達ごと)いわば「閉じ込められている」という読み方も成り立つ気がしてくるわけですが、その場合にはむしろ「,」(コンマ)の無いことこそが、そのようなガンツ部屋のニュアンスを正確に表すのに好都合な働きをすると考えられるため、問題は少ないと言えます(ただ、そもそも「あらすじ紹介文」は作品についての予備知識を持たない人に読まれることを想定して書かれるものでしょうから、ガンツ部屋のニュアンスが初見の人に伝わりにくいのであれば、コンマを意図的に落として書く意味は薄いのかも知れませんが)。

 そこで、文法上の疑義が生じることを念のため避けるべく、第1候補では「,」(コンマ)を維持しておくこととし、その代わり、分詞の「BEING」を省略したうえで、それに伴い余った字数については「CONDO」を「CONDO ROOM」に変更することで埋めることにしてみました。左欄でも触れたとおり「CONDO」は元々それだけでもマンションの「一室」という意味を持たせられるのですが、ここでは字数調整のためだけに敢えて「ROOM」を付加したというわけです。

 ここで改めて字数の確認をしておきますが、これは[3]との比較が分かりやすいです。すなわち、「CONDO」が足されて「BEING」が引かれたので(共に5文字+空白スペース1個)、全体として影響は出ないと分かります。

 第1候補を構文に忠実に和訳すると下のようになるハズです。

 死んだはずの人間達が、閉じ込められた状態で、マンションの一室の中にある謎の黒い球の装置による指令を受ける。

 そして、ここから無駄を省いて下のように意訳することが可能であり、これは公式のあらすじ紹介文とほとんど同一となります。

 死んだはずの人間達が、閉じ込められたマンションで、謎の黒い球から指令を受ける。

 ちなみに公式では、「死んだはず」という箇所が「一度死んだはず」とされている点と、「謎の黒い球」という箇所が「謎の黒い球(ガンツ)」とされガンツの名称が登場している点で、上の意訳と少し異なっています。

 なお、今回再現した英文に「ONCE」(一度)などの単語は含まれていませんが、人間が死ぬのは常識的には一度限りである以上、上の意訳に「一度」を付け足すことも、意味に変化を与えるものではないので、問題はないと思います(少し強調のニュアンスが加わるという違いは出るのかも知れませんが)。

第3文の行単位の備考(左欄)へ続く。

(6)

RECEIVE

 = 受ける

 <表2>(6)備考欄もご参照のこと。

(7)

AN ORDER

 = 指令

 <表2>(7)備考欄もご参照のこと。

BY

 = ~による

 (6)~(8)行目は「黒い球から指令を受ける」という和訳になることを想定しています。そのため普通に逆算すると、この位置には「FROM」(~から)を用いるのが適切であるということに一見なりそうです。

 しかし、この後に控える「MYSTERIOUS」と組み合わせたときに「FROM」では4マス(2文字分)足りなくなってしまうことから、ここでは字数の条件に合う「BY」を用いています。

 なお、「BY」を用いた場合には直訳が「黒い球による(=によって発令された)指令を受ける」ということになり公式のあらすじ紹介文との間に微妙な表現の違いが生じてきますが、その違いは意訳することによって解消される程度のものだと考えています。

MYSTERIOUS

 = 謎の

 「黒い球」(ガンツ玉)を修飾するのに相応しく、かつ末尾が「OUS」で終わる形容詞としては、「CURIOUS」(奇妙な)も一応考えられます。

 しかし、この単語によったのでは(7)行目で消化すべき字数を埋めきれません。仮に「RECEIVE AN ORDER BY A ~」(~による指令を受ける)の「BY」を文字数のより多い「FROM」に置き換えて「RECEIVE AN ORDER FROM A ~」(~から指令を受ける)としてみても、なお2マス(1文字分)余ってしまいます。

 結局、字数の条件にピッタリと当てはまるのは「MYSTERIOUS」であると考えられます。また、直訳したときの意味としても、こちらのほうが公式のものと同じにできます。

 なお、GANTZのU.S.版(アメリカ版/英語翻訳版)を出版している『Dark Horse Comics』(ダークホースコミックス)社のサイトでは第2巻の紹介文の中で「OMINOUS」(不吉な)という単語が使われていたりします。これだと「FROM AN OMINOUS」という風に、前置詞は「FROM」のままで字数の条件に合わせることができるのですが、ニュアンスが(日本の)公式のものとは離れてしまうことから、やはり「MYSTERIOUS」としておきました。

U.S.版の紹介文とプレビューはAmazonでも確認できます
 → キーワード「Gantz Dark Horse Comics」で検索

(8)

BLACK BALL DEVICE

 = 黒い球の装置

[2] BLACK SPHERE DEVICE
[2] BLACK ORB DEVICE

 (8)行目には「黒い球」と和訳される語句が配置されていることが想像されましたが、同時に行末の「CE」も消化しなければならないことが問題でした。そこで、少し苦しいかも知れませんが、単に「黒い球」ではなく「黒い球の装置」と考えることで、その解決を図ってみました。

 「球」を意味する単語としては「BALL」(ボール)、「SPHERE」(スフィア)、「ORB」(オーブ)などがありますが、どの単語に置き換えるかは好みの問題にすぎない気がします。したがって、(8)行目の行頭位置が不明であるために字数の条件が確定していない現時点においては、どれも同じ位に可能性があると思います(個人的に最もしっくりくるのは「SPHERE」ですが)。
 作中では財閥チームの幹部がガンツ玉を「ブラックボール」と呼称していたことから、これを尊重して「BALL」を差し当たりの第1候補にしておきました(ただし、今後別のコマで行頭の位置が判明するようなことがあれば、変更する可能性はあります)。

 なお、先ほど触れた『Dark Horse Comics』社のサイトでの紹介文や作品中身のプレビューを見ると、箇所によって「ORB」だったり「SPHERE」だったりして、特に統一されているわけではないことが分かります。

U.S.版の紹介文とプレビューはAmazonでも確認できます
 → キーワード「Gantz Dark Horse Comics」で検索

(9)

A CONDO ROOM

 = マンションの一室

[2] A CONDO(5)~(10)行目の文 (第2文)を参照
[3] A ROOM ←「マンション」という情報が抜けている
[4] A FLAT ←日本のマンションと形態異なる&イギリス英語
[5] AN APARTMENT ←最短でも1マス(0.5文字分)不足
[6] A CONDOMINIUM ←最短でも3マス(1.5文字分)不足

 「CONDO」は「分譲マンション」を意味する「CONDOMINIUM」を短縮した単語です。

 日本で言うところの「マンション」に対応する英単語としては、これが最も適当であると思われます。

 この単語自体に「一室」という意味を持たせられますが、(5)~(10)行目の文 (第2文)で後述するとおり、字数調整のため敢えて「ROOM」を付加してあります。

 その他、このような表記に行き着いた過程の詳細については、右欄の(5)~(10)行目の文 (第2文)のほうをご覧ください。

 なお、『Dark Horse Comics』社のサイトでも一応確認したところ、箇所によって「CONDO」だったり「APARTMENT」だったりしており、先ほどの「球」の訳と同様、カッチリと統一されているわけではないようです。

U.S.版の紹介文とプレビューはAmazonでも確認できます
 → キーワード「Gantz Dark Horse Comics」で検索

SHUT IN

 = 閉じ込められて / 閉じ込められた状態で

 「SHUT IN」という句動詞は本来「閉じ込める」という他動詞の働きをしますが、(5)~(10)行目の文 (第2文)で後述するとおり、ここでは受動態の分詞構文として、すなわち「BEING SHUT IN」の「BEING」が省略された形として解釈していますので、上記のような和訳にしてあります。

 なお念のため触れておくと、ここでの「SHUT」は過去分詞です(原形と同じ形をとる不規則動詞です)。

第2文の行単位の備考はここまで。

文単位の備考(右欄)へ続く。

(10)
(11)

FIGHTING PARTNER

 = 戦う相手(?)

 <表2>(11)備考欄をご参照のこと。

(12)
(13)
(14)
(15)
(16)